第7章 三角関数
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7.1 三平方の定理
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$ \mathrm{AB^2=AC^2+BC^2}\qquad(7.1)
7.2 弧度法
一周を$ 360度とする表現
$ 360という数字と円の本質的な性質の間には、数学的な必然性はない
角を度で表す時は、細かい数字を小数で表す場合と、「分」「秒」という補助単位を使って表す場合(度分秒表記)がある
$ 60分=1度,60秒=1分
記号で表してもよい
36度6分42.5秒は「36°6'42.5''」
半径$ 1の円を切り取ってできる扇形において、その頂角を、扇形の縁の長さで表す
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90度=$ \frac{\pi}{2}ラジアン
弧度法はあまり直感的ではないが、数学的には自然
度からラジアンへの換算法
半径$ 1の円を切り取る扇形を考えると、扇形の頂角を度で表したものと弧長は比例する
したがって度とラジアンは比例する
360度は$ 2\piラジアンだから
$ 1度=\frac{2\pi}{360}ラジアン=\frac{\pi}{180}ラジアン \qquad (7.2)
この式の左辺と右辺をそれぞれ$ x倍すると
$ x度=\frac{\pi}{180}xラジアン\qquad(7.3)
また、この式(7.3)の両辺を$ \frac{180}{\pi}倍して左辺と右辺を入れ替えれば
$ xラジアン=\frac{180}{\pi}x度\qquad(7.4)
角度をラジアンで表記するときは、多くの場合は慣習的に「ラジアン」という谷を省略する
ラジアンという単位自体も無次元量
1ラジアンは$ 180/\pi度
$ \piは約$ 3だから、1ラジアンは約$ 60度
このことは弧度法の定義に戻れば直感的に理解できる
半径$ 1で頂角$ 1ラジアンの扇形では、弧度法の定義によって、半径と弧長がともに$ 1
この扇形は正三角形の1つの辺を円弧に変形したものと考えることもできるから、頂角は正三角形の角$ 60度に近いだろう
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そもそも角は$ 0以上$ 2\pi以下なのだが、数学では便宜上、$ 0未満や$ 2\piより大きい角を考えたりする
そういう角は$ 2\piを適当に足し引きして、$ 0以上$ 2\pi未満の範囲の角に帰着すればよい
たとえば$ 3\piの角とは$ 2\pi+\piの角、つまり1集してさらに$ \pi回った角と考え、$ 2\piを余分とみなし、要するに$ \piの角と同じ、と考える
7.3 弧度法の応用:ビッターリッヒ法
問141
ある林業家が森林調査にでかけた。その森の材積量(単位面積当たり、どのくらいの体積の木材が蓄積されているか)を推定するために、まず胸高断面積(人の胸辺りの高さで木を全部切ったとして、その切り口の面積の合計)を簡易的に推定することにした。
まず彼は、森林内の1箇所に立ち、片腕を水平に伸ばし、親指を立てて、ぐるっと1回転しながら、幹の太さが親指の陰に隠れない木の本数$ Nを数えた。片腕を水平に伸ばしたとき、彼の親指は、彼の水平方向の視角のうち$ \thetaラジアンをさえぎるとする。彼の親指の幅を$ a、彼の腕の長さを$ lとする
(1) $ \theta\fallingdotseq a/lであることを示せ
(2) 彼の立ち位置から距離$ Rにある、胸高直径$ dの木の幹が、彼の親指にちょうどぴったり隠れるとき、↓であることを示せ
$ d=R\theta\qquad(7.5)
(3) 林の木は全て等しい胸高直径$ dを持つとしよう。上の式で決まる$ Rのよりも遠いところにある木は、彼の親指に隠れてしまう。このことから$ Nは彼の立ち位置を中心とする半径$ R=d/\thetaの円内の木の本数であることを示せ
(4) この円内の面積を$ A、この円内にある木の胸高断面積の合計を$ Bとすると、↓であることを示せ。ただし、木の断面は全て円形があると仮定する
$ A=\pi R^2 \qquad (7.6)
$ B=N\pi d^2/4 \qquad (7.7)
(5) この円内で、単位面積あたりの胸高断面積は、↓になることを示せ
$ \frac{B}{A}=\frac{N\theta^2}{4}\qquad(7.8)
(6) $ a=2\ \mathrm{cm}, l=60\ \mathrm{cm}, N=10のとき、単位面積あたりの胸高断面積はどのくらいか?
$ B/A\fallingdotseq0.0028
(7) この方法は、どんなん太さの木が混在する林についても有効であることを示せ
式(7.8)は木の太さ(胸高直径)$ dに依存しない
(8) この方法は、さまざまな太さの木が混在する林についても有効であることを示せ
太さ$ d_1, d_2, \cdots, d_nの木が混在しているとし、親指に隠れない本数は、太さ$ d_kの木について$ N_k本だったとする($ 1\leq k \leq n)
式(7.8)より、太さ$ d_kの木に関する単位面積あたりの胸高断面積$ C_kは$ C_k=N_k\theta^2/4となる
すべての木に関する、単位面積あたりの胸高断面積$ Cは、$ C_1+C_2+\cdots+C_n=(N_1+N_2+\cdots+N_n)\theta^2/4=N\theta^2/4となり、結局$ N=N_1+N_2+\cdots+N_n、すなわち、さまざまな太さの木を全部ひとまとめにして親指に隠れない本数を数えたときの値だけで決まる
森林の胸高断面積を、驚くほどの簡便さで推定する方法
一般に、森林の材積量などを現場で正確に見積もるのは容易ではない
7.4 三角関数
半径$ 1の円
$ xy平面上で、原点を中心とする単位円の上で、$ (1,0)から左回りに角$ \thetaにある点の、$ x座標を$ \cos\theta, $ y座標を$ \sin\thetaと定義する
$ \sin\theta/\cos\thetaを$ \tan\thetaと定義する
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ラジアンで表現すれば$ \thetaが$ 0に近ければ近いほど
$ \sin\theta\fallingdotseq\theta\ かつ\ \tan\theta\fallingdotseq\theta\qquad(7.9)
この式は確かに成り立つし、とても重要な式
あまり使わないが、$ \cosと$ \sinの逆数には$ \sec と$ \cosecという名前がついている
$ \sec\theta:=\frac{1}{\cos\theta}, \cosec\theta:=\frac{1}{\sin\theta}\qquad(7.10)
7.5 三角関数の公式
$ \cos^2\theta+\sin^2\theta=1\qquad(7.11)
原点から点$ (\cos\theta,\sin\theta)までの距離は、三平方の定理から$ \sqrt{\cos^2\theta+\sin^2\theta}
一方、定義より$ (\cos\theta,\sin\theta)で表される点は単位円上にあるので、原点からの距離は$ 1
したがって$ \sqrt{\cos^2\theta+\sin^2\theta}=1
両辺を2乗すると式(7.11)を得る
角は$ 2\piラジアンでひとまわりだから、$ \thetaと$ \theta+2\piは同じ角を意味するので、次の2つの式が成り立つ
$ \cos(\theta+2\pi)=\cos\theta\qquad(7.12)
$ \sin(\theta+2\pi)=\sin\theta\qquad(7.13)
$ -\thetaという角は$ x軸から逆周りに$ \thetaだけ回った角
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それは、$ \thetaという角とは$ x軸に関して対称の位置にある
したがって、$ (\cos(-\theta), \sin(-\theta))と$ (\cos\theta, \sin\theta)は$ x軸に関して対称の位置にある
$ \cos(-\theta)=\cos\theta\qquad(7.14)
$ \sin(-\theta)=-\sin\theta\qquad(7.15)
問146 $ nを整数とする。三角関数の定義から、以下の式を導け
$ \cos(\pi-\theta)=-\cos\theta\qquad(7.16)
$ \sin(\pi-\theta)=\sin\theta\qquad(7.17)
$ \cos(\pi+\theta)=-\cos\theta\qquad(7.18)
$ \sin(\pi+\theta)=-\sin\theta\qquad(7.19)
$ \cos\left(\frac{\pi}{2}-\theta\right)=\sin\theta\qquad(7.20)
$ \sin\left(\frac{\pi}{2}-\theta\right)=\cos\theta\qquad(7.21)
$ \cos\left(\frac{\pi}{2}+\theta\right)=-\sin\theta\qquad(7.22)
$ \sin\left(\frac{\pi}{2}+\theta\right)=\cos\theta\qquad(7.23)
$ \pi-\thetaは$ \thetaとは$ y軸対称
$ \pi+\thetaは$ \thetaとは原点対称
$ \frac{\pi}{2}-\thetaは$ \thetaとは$ x軸と$ y軸を入れ替えた関係(直線$ y=xに関して対称)
言い換えれば、$ y軸から右回りに$ \thetaだけ回った角
$ \frac{\pi}{2}+\thetaは$ y軸から左回りに$ \thetaだけ回った角
問147 $ nを整数とする。三角関数の定義から、以下の式を導け
$ \sin n\pi=0\qquad(7.24)
$ \cos n\pi=(-1)^n\qquad(7.25)
問148 三角関数の定義から、以下の式を導け
$ 1+\tan^2\theta=\frac{1}{\cos^2\theta}\qquad(7.26)
$ \tan(-\theta)=-\tan\theta\qquad(7.27)
$ \tan(\theta+\pi)=\tan\theta\qquad(7.28)
ここで式(7.28)に注意
$ \tanは$ \thetaが$ \pi増えるごとに同じ値が繰り返し出てくる
$ \sinや$ \cosは$ 2\piごとの繰り返しだったが、$ \tanはその半分で繰り返しが来る
このことは、あとで$ \tanのグラフを見れば、よりはっきりわかる
問149 $ \cos\theta, \sin\theta, \tan\thetaは、それぞれ、$ \thetaの関数と見た時、偶関数か奇関数か、あるいはそのどちらでもないか 偶関数は$ f(-\theta)=f(\theta)
$ \cos(-\theta)=\cos(\theta)
奇関数は$ f(-\theta)=-f(\theta)
$ \sin(-\theta)=-\sin(\theta)
$ \tan(-\theta)=-\tan(\theta)
7.6 加法定理
2つの角の和の三角関数を、それぞれの角の三角関数で表す公式
問150 単位円の上に$ x軸から角$ \alphaだけ離れたところに点Aをとり、$ x軸から角$ -\betaだけ離れたところに点Bをとる。このとき、原点Oと点A、点Bを頂点とする三角形OABを考える。一方、単位円と$ x軸が交わる点$ (1,0)をA'とし、単位円上で$ x軸から角$ \alpha+\betaだけ離れたところに点B'をとる。このとき、原点Oと点A'、点B'を頂点とする三角形OA'B'を考える
(1) 三角形OABと三角形OA'B'をそれぞれ別の図として作図せよ
(2) 三角形OABと三角形OA'B'が合同であることを示せ
$ \angle AOB = \angle A'OB'= \alpha + \beta
$ AO = A'O = 1
$ BO = B'O = 1
(3) 点A、点Bの各座標を$ \alpha, \betaを用いて表わせ
点A$ (\cos\alpha, \sin\alpha)
点B$ (\cos(-\beta), \sin(-\beta))
(4) 辺ABの長さの2乗($ \mathrm{AB^2})を$ \alpha,\betaを用いて表わせ
$ AB^2=(\cos\alpha-\cos(-\beta))^2+(\sin\alpha-\sin(-\beta))^2
(5) 点A'、点B'の各座標を$ \alpha,\betaを用いて表わせ
点A'$ (1,0)
点B'$ (\cos(\alpha+\beta), \sin(\alpha+\beta))
(6) 辺A'B'の長さの2乗($ \mathrm{A'B'}^2)を$ \alpha,\betaを用いて表わせ
$ A'B'^2=(1-\cos(\alpha+\beta))^2+\sin^2(\alpha+\beta)=1-2\cos(\alpha+\beta)+\cos^2(\alpha+\beta)+\sin^2(\alpha+\beta)
(7) $ \mathrm{AB^2=A'B'^2}より次式を示せ
$ \cos(\alpha+\beta)=\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta\qquad(7.29)
(8) 式(7.20)より$ \sin(\alpha+\beta)=\cos(\pi/2-\alpha-\beta)が成り立つ。このことを利用して次式を示せ
$ \sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta\qquad(7.30)
式(7.29)と式(7.30)は$ \alpha,\betaがどのような角であっても成り立つ
問151 以下の式を導出せよ
$ \cos(\alpha-\beta)=\cos\alpha\cos\beta+\sin\alpha\sin\beta\qquad(7.31)
$ \sin(\alpha-\beta)=\sin\alpha\cos\beta-\cos\alpha\sin\beta\qquad(7.32)
$ \begin{aligned}\cos2\alpha&=\cos^2\alpha-\sin^2\alpha & (7.33) \\ &= 2\cos^2\alpha-1 & (7.34) \\ &= 1-2\sin^2\alpha & (7.35) \\ \sin2\alpha &=2\sin\alpha\cos\alpha & (7.36) \end{aligned}
問153 以下の式を導出せよ
$ \cos^2\alpha = \frac{1+\cos2\alpha}{2}\qquad(7.37)
$ \sin^2\alpha=\frac{1-\cos2\alpha}{2}\qquad(7.38)
式(7.29)~式(7.38)はいずれも重要な公式なので少なくとも自力で導出できるようになる
できれば覚える
少しくらい忘れても、うろ覚えの状態から正しい式を思い出すコツがある
例7.5
式(7.29)〜式(7.32)を混同してしまい、右辺の符号($ \pm)や$ \sinや$ \cosの順序を間違えることがよくある
そんなときは$ \alpha=\beta=0とか$ \alpha=0, \beta=\pi/2などの値を代入して、左辺と右辺が整合的になるかどうかを確かめればよい
$ \cos(\alpha+\beta)=\sin\alpha\sin\beta-\cos\alpha\cos\betaだったっけ?
$ \alpha=\beta=0を代入すると左辺は$ 1、右辺は$ -1になるので違う
それなら$ \cos(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta-\cos\alpha\sin\betaかな?
同様に左辺は$ 1、右辺は$ 0になるからやっぱり違う
そうやって可能性を絞り込んでいくことができる
例7.6
式(7.20)を忘れたら、式(7.29)を用いて導出できる
$ \cos\left(\frac{\pi}{2}-\theta\right)=\cos\frac{\pi}{2}\cos\theta+\sin\frac{\pi}{2}\sin\theta
ここで$ \cos(\pi/2)=0, \sin(\pi/2)=1より、上の式の右辺は$ \sin\thetaとなる
7.7 三角関数のグラフ
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$ y=\sin xの性質
$ \sin0=0
$ xが$ 2\piだけ進むと、もとの値に戻る
$ yは$ -1から$ 1までの範囲の値だけをとる
$ x=\pi/2のとき(直角のとき)、最大値$ 1をとる
奇関数である
$ y=\cos xのグラフ
$ \sin\left(x+\frac{\pi}{2}\right)=\cos x\qquad(7.39)
$ y=\sin xのグラフを左に($ x軸の負の方向に)$ \pi/2だけ平衡移動したものが$ y=\cos xのグラフになる
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このグラフは図7.6のグラフを平行移動したものとみなせるから、正弦曲線と言える
$ y=\tan xのグラフ
まず、定義より
$ \tan x=\frac{\sin x}{\cos x}\qquad(7.40)
だから$ \tan 0 =0である
また、$ \tan(-x)=-\tan x、つまり$ \tan xは奇関数であることもわかる
$ xが$ 0から次第に増加すると、最初のうちは$ \sin xは増加、$ \cos xは減少するから、$ \tan xは次第に増加する
$ x=\pi/2に近づくと、分母の$ \cos xが$ 0に近づくから$ \tan xはどんどん大きくなって$ \inftyに飛んでいく
ところが$ x=\pi/2を少し超えると$ \cos xは$ 0に近い負の値になり、$ \sin xは正の値のままだから、$ \tan xはいきなり$ -\inftyに飛んでいってしまう
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$ y=\sin(2x)
https://gyazo.com/5375c89e403c9ba0e245c0987b3d18e4
$ \sin(x)の2倍で周期する
$ y=\sin^2 x
$ yは常に$ 0以上
$ yは$ 1よりも大きくならない
原点を通る
$ y軸に関して対称(偶関数)
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7.8 三角形と三角関数
三角関数はむしろ円の関数
三角形と三角関数の関係も重要
問156 直角三角形OABについて次式を示せ
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(1)$ \sin\theta=\frac{AB}{OA}\qquad(7.41)
(2) $ \cos\theta=\frac{OB}{OA}\qquad(7.42)
(3) $ \tan\theta=\frac{AB}{OB}\qquad(7.43)
高校の数学IIでは式(7.41), 式(7.42)、式(7.43)を利用して三角関数を定義している
しかし、これらは$ \pi/2以上の角や負の角には適用できないので、大学レベルの数学では三角関数を単位円で定義する
実用的には以下の形
$ AB=OA\sin\theta\qquad(7.44)
$ OB=OA\cos\theta\qquad(7.45)
$ AB=OB\tan\theta\qquad(7.46)
7.9 正弦定理と余弦定理
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$ BP=a\sin C\qquad(7.47)
$ S=\frac{ab\sin C}{2}\qquad(7.48)
$ S=\frac{bc\sin A}{2}\qquad(7.49)
$ S=\frac{ca\sin B}{2}\qquad(7.50)
$ \frac{a}{\sin A}=\frac{b}{\sin B}=\frac{c}{\sin C}\qquad(7.51)
$ c^2=(a\sin C)^2+(b-a\cos C)^2\qquad(7.52)
$ c^2=a^2+b^2-2ab\cos C\qquad(7.53)
$ a^2=b^2+c^2-2bc\cos A\qquad(7.54)
$ b^2=c^2+a^2-2ca\cos B\qquad(7.55)
$ \cos C=\frac{a^2+b^2-c^2}{2ab}\qquad(7.56)
$ \cos A=\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}\qquad(7.57)
$ \cos B=\frac{c^2+a^2-b^2}{2ca}\qquad(7.58)
7.10 逆三角関数
定義としてはまだ不十分
$ \cos\theta=1/2となるような$ \thetaを$ \arccos(1/2)というが、そのような$ \thetaの値はたくさんある
そこで$ \arccosの値は$ 0以上$ \pi以下に限定する
すなわち「$ \arccos xとは$ \cos\theta=xかつ$ 0\leq\theta\leq\piとなるような$ \thetaのこと」と定義する
たとえば
$ \arccos\frac{1}{2}=\frac{\pi}{3}\qquad(7.59)
arcsinもarctanも同様
注1: arcsinとarctanはarccosとは値域が違う
注2: $ \arcsin xを$ \mathrm{Arcsin}\ xとか$ \sin^{-1}xと書くこともある
注3:$ \thetaがどんな値であっても$ \cos\thetaと$ \sin\thetaは$ -1以上$ 1以下の値しか取り得ない
したがって、$ xが$ 1より大きかったり$ -1より小さかったりする場合は$ \sin\theta=xとか$ \cos\theta=xとなるような$ \thetaは存在しない
一方、$ \tan\thetaはどのような実数値も取り得る